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おいしさと老化の意外な関係
★老化物質AGEは、なぜたまってしまうのか?
その謎を解くカギを握るのは・・・
なんと、パンやお肉を焼くと、こんがりとキツネ色に色づき、おいしくなる化学反応。
これは「メイラード反応」と呼ばれ、「たんぱく質」+「糖」=茶色くなるという反応です。
この「おいしさの方程式」が、実は、人の「老化の方程式」でもあったのです。
人の体のたんぱく質と、食べ物から摂取する糖が、ジワジワと時間をかて、「糖化」と呼ばれる反応を起こすのです。
この糖化によってできるのが、AGEだったのです。
AGE=Advanced Glycation End-products(終末糖化産物)。
★コラーゲンの糖化=老化だった!
「糖化」の影響を受けやすいのは、
コラーゲンなど代謝の遅いたんぱく質です。
コラーゲンと聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
お肌に大事なもの?実はそれだけではないのです。
コラーゲンは、体中の細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割を果たしており、いわば全身の細胞の土台です。
コラーゲンなくして、生き物は多くの細胞を支えることができません。
つまり、体中の細胞の間を埋めているコラーゲンが糖化され、茶色く劣化してしまうことは、全身の体の老化につながるのです。
★糖尿病は老化を加速する!?
糖化を加速する要因は、高血糖です。
その最たるものは、糖尿病。
これまで糖尿病は、こわい血管病であると、広く認識されてきました。
しかし、糖化という観点から見ると、それだけでなく実は「老化を加速する病気」とも言えるのです。
糖尿病でない人も注意したいのが、食後の高血糖です。
最近、空腹時血糖値が正常でも、食後の血糖値が高い糖尿病予備軍の人が増えています。
日頃から食後の血糖上昇に気をつけることが、慢性的な高血糖状態になることの予防につながります。
体の若さを守るためにも、高血糖には注意したいものです。
※血糖値を上げないために、食事の炭水化物の量を極端に減らすことは危険ですので、ご注意ください。
★糖化を防ぐ!食事のコツ
糖化をなるべく進めないことは、老化予防につながります。
とはいえ、○○を食べてはいけない△カロリーまでしか食べてはいけない
などと制限をしてしまうとストレスも大きく、長続きしません。
そこで今回ご紹介したのは、食後の血糖値の急上昇を抑える、ちょっとした食事のコツです。
みなさんは、カレーライスとサラダ、どちらを先に食べますか?
ごはんを先に食べると、血糖値が一気に上がりやすくなります。
それに対し野菜などの食物繊維を先に食べると、腸での糖の吸収がゆっくりとなり、血糖値の上昇もゆるやかになります。
糖化を予防する食事のコツは、「先に野菜を食べること」なのです!
実際に糖尿病患者さんの食事療法として、「食べる順番療法」を実践している病院では、血液中の糖化の指標値である、糖化ヘモグロビンの値(HbA1c)が大きく改善する効果も見られています。
さらに、先に野菜を食べることにより
(1)自然と野菜を食べる習慣がついたり
(2)自然とごはんが控えめになったりするため、
糖化予防はもちろんダイエットまでもが効果的に実践できると考えられています。