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腰痛予防
★腰痛を防ぐコツ
肩こりとともに国民病とも言われている腰痛。その中で約50%を占めるのが、腰痛症と呼ばれるものです。
レントゲンなどではとくに異常がみられず、なんとなく腰が重い、だるい、鈍痛といった症状に悩まされる場合がほとんどです。
腰痛は起きてしまうと気分も憂鬱ですが、実は毎日のちょっとした心がけでかなり予防・改善することができるのです。
そこで腰痛を予防するための日常生活のコツをみてみましょう。
★腰痛のメカニズム
昔私たちの祖先は4足歩行で生活していましたが、進化の過程で2足歩行になりました。4足歩行では背骨が水平になるため、体の重さは腰に集中せず4点に分散されます。
ところが、2足歩行では背骨が縦に配列されるため垂直方向に体重がかかり、とくに重い上半身を支えている腰に負担がかかってしまいます。
つまり人間にとって腰痛は、2足歩行を始めたときからの宿命とも言えるでしょう。
現代人はその2足歩行に加え、生活様式の変化が腰痛持ちの増加に拍車をかけることになります。
車社会の発展、エスカレーターなどの移動手段、長時間のパソコンワーク…、私たちの生活様式が便利になればなるほど、歩く機会や体を動かすことが少なくなってきています。
その結果、運動不足になり、腹筋、背筋などの筋力が低下することに。
筋力が弱いと筋肉が疲れやすくなり、その状態が続くと発痛物質が作られ、腰痛を引き起こすことになります。
また、筋力の低下は姿勢も悪くします。
あるスポーツ医科学センターで、姿勢が及ぼす腰への負担の実験を行ったところ、正しく座った時の背筋への負担を1とすると、前屈みの時は3倍の負担がかかっていることが分かったそうです。
さらに、運動不足や冷えなどから起こる血行不良も腰痛の大きな要因のひとつ。
血液には、生命維持のための酸素や栄養素を全身に運ぶ重要な働きがあり、それと同時に、疲労物質を運び出してくれる働きもあります。
ですから、血行が悪くなると体内に疲労物質がたまり、それらが筋肉の神経を刺激し、痛みを発生させてしまうのです。
その他、歯並びや噛み合わせの影響も見逃せません。
これらが悪いと身体のバランスがくずれ、腰に負担がかかることに。
猫背、なで肩などの体型的な要因、肥満、ストレスも影響を及ぼします。
腰に負担になる姿勢は避けましょう
正しい立ち姿勢を意識しましょう。
壁に背をつけた時に腰の後ろに手の平が1枚入るくらいが、よい姿勢の目安です。
気をつけたいのが前かがみ。前かがみの状態を長く続けると椎間板に圧力がかかり、腰痛が起こりやすくなります。
そこで掃除機はホースを長くして立ち姿勢で、台所のシンクが低い場合は、踏み台に片足を乗せて腰への負担を軽くする、靴下をはく時は立ったままでなく腰かけて安定した姿勢で、などの工夫が大事です。
また、座っている時も前かがみにならず、腰、ひざがほぼ直角になり、足の裏が床につく高さに。
長時間のデスクワークでは、1時間ごとに立ち上がって歩たり、軽い体操を取り入れて体をほぐすようにしましょう。
前かがみと同様、腰の反りすぎも禁物です。
高い所の物をとろうと思い切り背伸びをすると、腰は思った以上に反り返っています。
無理な背伸びをせず、踏み台を使うようにしましょう。寝るときの姿勢も注意が必要。
あお向け、うつ伏せは腰の反りが大きくなるので、横向きでやや体を丸めたり、ひざやお腹の下にクッションを置くとよいでしょう。
やわらかすぎる敷布団も要注意です。
腹筋・背筋などを鍛えましょう
運動不足を防ぐためにストレッチ、ウォーキング、水泳など自分に合った運動を取り入れたいもの。
とくに背骨を支える腹筋、背筋、大腿筋をバランスよく鍛えることが大切です。
中でも水泳は、水の浮力で腰に負担がかかりにくいと言われますが、背中の反らしすぎや不必要なひねりなど、泳ぎ方を間違えるとかえって逆効果になることも。
泳ぐよりも水中歩行の方が腰への負担が軽くなります。
運動は苦手、時間がないという方はなるべく歩くことを心がけ、エレベーターなどに頼らず階段を利用するようにしましょう。
お風呂、整体などで血行をよくしましょう
腰痛は痛みがないと忘れがちですが、この機会に自分でも気づかない生活習慣や姿勢のクセを改めて見直し、腰痛知らずの毎日を目指しましょう。