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ヒートショックとは
☆居間間の温度差で血圧が急上昇するのがヒートショックです。
日本のほとんどの住宅は、リビングと廊下や水廻り部分を比べると、約6℃~10℃の温度差があります。
ヒートショックとは、そうした暖かい部屋から寒い部屋、またはその逆というように温度が急激に変化した際に、血圧や脈拍が上昇または下降して、心臓や血管に大きな負担をかけることです。
ヒートショックが最も起きやすいのは冬場のトイレや浴室といわれています。
浴室事故の70%は脳卒中などの循環器系障害によるもので、不幸にも入浴中にお亡くなりになる方は 年間推定1万人以上だそうです。
その多くは高齢者です。
また、浴室事故が12月~2月の厳寒期に集中していることも特徴的です。
☆夏と冬で入浴時の血圧の変化はどう違うでしょう?
浴室の室温の違いによって入浴する際に血圧がどう変化するのか?
夏は浴室温度25℃で、血圧の変化は緩やかです。
これに対して浴室温度10℃の冬は入浴前から洗浄後にかけて血圧が約40mmHgも上昇するそうです。
浴槽につかると、一気に血圧が下降。
入浴を終えて脱衣室に出ると再び血圧が上がります。
このような急激な血圧の上下動が血管に大きな負担をかけるのです。
この実験の協力者 は最高血圧120mmHgの健常者でしたが、これがご高齢の方や、血圧の高い方の場合は血管が硬くなっていたり、脆くなっていたりするため、 ヒートショックによる浴室事故の危険性はいっそう高まるでしょう。
☆『お年寄りに一番湯はいけない』の根拠とは。
ご存じですか、「お年寄りに一番湯はいけない」という言葉。
これは昔から言い伝えられてきた暮らしの知恵です。
なるほど考えてみれば、一番湯のときはお湯が熱い状態ですが、浴室はまだ寒い。
しかし、家族が何人か入浴した後の二番湯、三番湯なら浴室は良い具合に暖まっている一方、湯温は多少おさまっているはずです。
つまり「お年寄りにとって一番湯は負担が大きいから、二番湯か三番湯がちょうど良いですよ」という思いやりの警句だったのですね。
ちなみに、入浴の際は40℃以下のお湯で「半身浴」をするのが身体に優しい入浴法だそうです
☆ヒートショックを軽減するには。
理想は、全室床暖房を設置し、脱衣場、浴室にも暖房設備をするのが理想的です。
しかし、費用の面で、なかなか無理があります。
暖かい部屋から移動するときは必ず一枚上着を着、首にはせめてスカーフのような物を巻きましょう。
お風呂に入る前に、10分ほどバスタブのふたを開け、浴室を温めてから入浴して頂けるよう心がけてください!