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春バテ
厳しい冬の寒さが過ぎ、春の陽気がうれしくなる4月なのに、何となく気分が晴れず、体が重いという人が多いようです。
今回は、こうした春特有の悩み「春バテ」にスポットを当てて、その予防と解消法を紹介します。
季節の変わり目(3~4月)に精神的・身体的に何らかの不調を感じたことがある人は、20~50代男性で72.8%、20~50代女性で86.8%を占め、なんと全体でほぼ8割もの人が「春バテ」を感じているという報告が上がっています。
【春の不調(春バテ)の症状】
- 精神的ストレス:上位5例
・イライラする
・気分の落ち込み
・憂鬱感
・不安感
・倦怠(けんたい)感
- 身体的疲労感:上位5例
・肩こり
・手足の冷え
・体がだるい
・昼間眠い
・便秘や下痢などの胃腸障害
このような症例に代表される春バテ(精神的・身体的不調)は、何が原因なのでしょうか。
春バテを引き起こす、気候変化と環境変化
1つは、冬から春にかけての気候変化の影響といわれています。春は、気圧や日照時間などの気候変化に加えて、寒暖差が激しくなる季節。
身体的にはその影響から、酸素や栄養素を運ぶ血液だけでなく、老廃物を排出するリンパ液などが滞りやすくなります。
すると、むくみや内臓機能の低下を招き、不快感として現れます。
そしてもう1つ、職場や家庭などでの環境変化が集中することが指摘されています。
春は、職場なら人事異動や新しい業務に携わるといった変化があり、家庭では子どもの進級・入学のほか引っ越しなど、それこそ何かと気忙しくなります。
前述のように身体的疲労を感じやすくなっている上、さらに気付かぬうちに心労が重なり、度を超えるとうつの症状に発展することがあるようです。
春バテを防いで快適に過ごすためには、気候変化と環境変化に負けないよう、体液循環を良くして内臓機能を活性化し、ストレスを解消する工夫が必要です。
体液循環を整えて内臓機能を活性化するエクササイズ
体液循環が滞ることによる不調には、全身を大きく動かして体液を流すエクササイズがオススメです。
始業前やデスクワークの合間、休憩時間などに実践できる、手軽なものをご紹介しましょう。
- その場で大きく足踏みをする
両手を大きく振り、太ももをなるべく高く上げるようにして左右20回ずつ足踏みをしてみましょう。
足のだるさやむくみが気になる場合は、回数を増やします。
下半身の体液循環が整い、むくみの予防・改善につながります。
- 両手を両肩に添え、前後にグルグルと回す
前に10回、後ろに10回、なるべく大きく円を描くように回しましょう。
肩甲骨を大きく動かすことがポイントです。
肩から腰にかけての筋肉の動きがしなやかになり、上半身の体液循環がスムーズになります。
- 両手を組んで手のひらを上に向けて伸ばす
組んだ両手をグ~ッと持ち上げ、背伸びをするように伸ばします。
限界まで伸ばしたら、10~20秒キープしましょう。
ゆっくりと両手を下げ、大きく深呼吸してください。
体を大きく動かして酸素をたっぷり吸い込むことで、酸素が血液に乗って隅々まで行き渡り、代謝が高まります。
気候変化の対策として、食事で温活、入浴も効果的
春になるとだんだんと薄着になりがちですが、朝・晩はグッと冷え込み、肌寒くなります。冷えは体液循環を滞らせるので、その対策は欠かせません。
ストレッチで全身を大きく伸ばすことに加えて、食事や入浴で体をしっかりと温めましょう。
食事では、温かい飲み物や汁物を取り入れて、内臓を温めましょう。
ビタミン・ミネラル類が豊富な緑黄色野菜を加えると、消化・吸収の働きやエネルギー代謝を高めやすくなります。
たっぷり野菜のスープやゴロゴロ野菜の煮物などがオススメです。
シャワーで済ませるのではなく湯船に漬かって体を芯から温めましょう。
湯船でしっかりと温まり、その後はリラックスして過ごすことで、睡眠の質や睡眠中の疲労回復に良い影響を及ぼします。
★環境変化によるストレスをため込まないために
春は、特に気忙しい時期だからこそ、自分の時間をつくってリセットするように心がけてください。
食事の工夫や紹介したエクササイズと合わせてリフレッシュする時間、この他にも外出や読書、映画鑑賞など……心から楽しめることを意識して予定に組み込むことが大切なのです。
ポカポカと暖かく日の光も柔らかくなる春ですが、ついつい頑張り過ぎてしまう季節であり、うっかりすると周囲の変化に対応できずバテやすい季節にもなります。
不調に陥る前に、食事や入浴、体を動かす習慣を見直して、代謝の良い心身状態に整え、陽気な春を大いに楽しみましょう
(1)生活環境の変化
自身や家族の生活に変化が生じることで緊張感やストレスが生じ、自律神経が乱れ、春バテになりやすくなります。
(卒業、入学、進学、入社、転勤、人事異動・組織変更、引越、新生活スタート)
(2)気象環境の変化
《めまぐるしい気圧の変化》
移動性高気圧が次々にやってきて低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるこの時期、自律神経の切り替えがうまくいかなくなってしまいます。また、低気圧になると、血中の酸素濃度下がり、昼でも眠くなったり、身体がだるくなったりします。さらに敏感な人は頭痛を感じ
ることもあります。
《激しい寒暖差》
天気も変わりやすい時期で、気象の変化が激しく特に寒暖差も大きくなります。冬から春になり、ファッション面でも薄着になることが多く、秋、冬に比べ寒さへの意識も薄いことから、身体が寒暖差を敏感に感じとることになります。この寒暖差により自律神経が乱れ、
肩こり、めまい、顔のほてり、食欲不振など、さまざまな不調が現れます。
《日照時間の変化による睡眠不足》
春になるに従い日照時間が長くなります。早い時間から部屋の中に光が差し込むためいつもより早く目が覚めてしまったり、夜更かしするなど、生活リズムが乱れ、睡眠の質が低下しがちになります。
春のうつ冷え”
寒暖差による冷えに加えて生活変化によるストレスも重なることで春ならではの“うつ冷え”という春バテの症状があらわれます。
冷えによって「幸せホルモン(=セロトニン)」や「やる気ホルモン(=ドーパミン)」を作る酵素が減るだけでなく、血のめぐりが悪くなることで、それらがうまく運ばれなくなってしまいます。
身体が冷えてしまうことで、こころまで冷えてしまう人がいます。特に、春は生活環境わる時期なのでストレスがかかりやすく、自律神経が乱れることで更に冷えてしまいます。
身体の冷えとこころの冷えは表裏一体。
どちらも温めることが大事です!